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Google、マレーシアに150億ドル投資 東南アジアのデータ拠点競争が変わる

Google、マレーシアに150億ドル投資 東南アジアのデータ拠点競争が変わる

Google、マレーシアに150億ドル投資 東南アジアのデータ拠点競争が変わるのニュース解説イメージ

ニュースの概要

Googleはマレーシアで今後2年間に約150億ドルを投じ、データセンター事業を拡大すると発表した。セランゴール州とネグリ・スンビラン州に新しい拠点を整える計画で、クアラルンプール近郊のエルミナ・ビジネスパークの施設は、すでに稼働を始めている。2024年5月に示した20億ドルの投資計画から、金額は大きく膨らんだ。電力や水の確保にも取り組むとしており、単なる建物の増設ではなく、地域の基盤づくりまで含めた長期の事業になる。東南アジアのデジタル需要を背景にした、大型の資金流入といえる。

引用元: Google、マレーシアのデジタルインフラに150億ドル投資へ(Mingtiandi)

分析・見解

20億ドルから150億ドルへ、7倍超の増額が示す本気度

2024年5月の発表額は20億ドルだった。今回の約150億ドルは、その7倍を超える。計画の途中で金額がこれほど伸びるのは、需要の見通しが当初より明確になったからだろう。

背景には生成AIの普及がある。AIの計算にはこれまでより桁違いに多くの電力と冷却設備が要る。そのため、各社は広い土地と安定した電力を持つ場所へ急いで拠点を広げている。マレーシアはその受け皿として選ばれた形だ。

なぜシンガポールではなくマレーシアなのか

シンガポールは長年、東南アジアのデータセンターの中心だった。しかし国土が狭く、電力と土地の制約が厳しい。政府も新設を一時的に絞った時期がある。

そこで隣接するジョホール州やクアラルンプール周辺に需要があふれた。同じ流れは、米国でバージニア州の次に別の州へ拠点が広がった動きに似ている。中心都市が満杯になると、近くの余裕ある土地へ波及する。マレーシアの地価や電気料金は、シンガポールより低い水準にある。

電力と水の確保が、立地の勝敗を分ける

データセンターは巨大な電気の使い手である。しかも機器を冷やすために大量の水も使う。Googleがこの二つへの対応を同時に打ち出した点は見逃せない。

電力網の増強や再生可能エネルギーの調達が進めば、周辺の工業団地や住宅地のインフラも底上げされる。逆に、電力や水が足りなければ、地域住民との摩擦が生じる。アイルランドやオランダでは、電力不足を理由に新設が制限された例がある。マレーシアが同じ壁に当たるかどうかは、今後の焦点である。

不動産の視点で見ると、本当の主役は周辺エリア

見落とされがちな点がある。データセンターそのものは、働く人が少ない。完成後の常駐者は数十人から数百人程度で、住宅需要への直接の影響は小さい。

効いてくるのは建設期の数千人規模の雇用と、関連企業の進出だ。通信、電気工事、保守、物流といった周辺産業が集まり、その従業員の住まいやオフィスの需要が生まれる。投資家が注目すべきは、拠点そのものよりも、通勤圏にあたる周辺エリアである。

ビジネスへの影響

住宅・オフィス需要が動く場所を先に見極める

セランゴール州とネグリ・スンビラン州は、今回の計画地として名前が挙がった。建設が本格化する2年間は、工事関係者や外国人技術者の賃貸需要が先行しやすい。

ただし、投資に飛びつく前に確認したい点がある。新築物件の供給が一気に増えれば、利回りは下がる。現地の賃料水準、空室率、開発予定を必ず複数の情報源で調べたい。

大手の発表を鵜呑みにしないための点検項目

大型投資の発表は、計画どおりに進むとは限らない。電力の割り当てや許認可で遅れが出る例は珍しくない。

点検の軸は三つある。一つ目は電力供給の契約が確定しているか。二つ目は用地の取得と着工の時期。三つ目は周辺の交通網の整備計画である。これらがそろって初めて、不動産の需要は実際の数字に変わる。

分散投資の一部として東南アジアを位置づける

特定の国や一つの材料に資金を集めるのは危険である。為替の変動や現地の規制変更も、収益を左右する。

データセンター関連の追い風は、東南アジア全体の成長シナリオの一部にすぎない。複数の国と物件タイプに分け、現地の管理体制や税制も含めて比較することが現実的だ。まずは少額で現地の動きを確かめ、需要が数字で確認できた段階で比率を高める進め方が堅実である。

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